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認知症が進んで・・。

認知症歴7年だという一人暮らしの70代女性は、症状がかなり進行し、もうご自分では何もしなくなっていました。

一日中、見るわけでもない点けっぱなしのテレビの前に置いたソファに座り、視点の合わないぼんやりした目をやや下に落とした状態で、時が過ぎるのをただ見送る。

夫に先立たれ、子ども達は独立して、何もやることがなくなってしまったのでしょうか。 それとも、認知症になったから何もできなくなってしまったのか。

朝、隣に住む娘さんが起こしに来て、着替えさせ、朝食を食べさせ、ソファに座らせる。 その後、娘さんは仕事に出かけて夜まで帰って来ません。娘さんの職業は弁護士だそうです。

なのでヘルパーが3時間おきに訪問し、安否確認、ポカリスエットでの水分補給、オムツ交換、手足顔の清拭をします。

水分補給の際、自分でコップを持つこともしないので全介助です。

冬はポカリスエットをレンジで温めます。
「あたたかいポカリスエット」想像できますか? 私も最初、「それ、まずそう・・。」って思いました。

けれど、自分で体温調節ができない人にとって、口から入るものの温度管理は凄く大事なことです。味より優先させます。

オムツ交換には非・協力的なので、毎回少し大変です。
機嫌が悪いと必死で拒否されますが、ガリガリの痩せた身体に体力は無く、すぐに諦めるので助かります。

逆に機嫌が良いときは、ヘルパーの声かけに少しの笑顔で答えてくださいます。 そして何か言おうとされるのですが、もうちゃんとした言葉にはならなくて、いくら頑張っても聞き取ることは出来ません。 コミニュケーションが難しい状態です。

それでもヘルパーとしては休み無く話しかけます。一方的な会話になっていても、「話しかけること」に意味があるのです。 私はそもそも話は聞いている方が得意なタイプなのですが、反応が薄い利用者さん相手に話かけることは上手くなりました。

その日の天気や気温の話から始まり、今日の気分を伺ったり想像したり、今の利用者さんの状態を説明したり、介助の実況をしたりします。

まだ70代、若い方です。

なのに1日中ソファに座って、時間が過ぎ行くのをひたすら待つだけの毎日。

朝が来て、夜になり、また朝が来て、夜になる。

この先、長そうです・・・。

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