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オカメインコ。

特にどこも悪くないのに、一歩も外へ出ようとしない83才の女性・Kさん。

ご主人に先立たれ、高級マンションにひとりで住み、ひたすら家の中で生きている。
外に行くのは3ヶ月に一度、美容院へ行くときだけで、 具合が悪いときは往診です。

以前、足を2度骨折しているので怖い、と言って外出しません。

でも、今は完治していて、どう見ても歩行に問題は無いのに、家に居てテレビばかり見ている毎日です。

もったいないことです。

ひとりでの外出が不安なら、ヘルパー同行でお散歩に行きましょう、と誘っても無駄でした。

なので、ヘルパーが買い物代行をしています。

そんなKさん宅はマンションの8階に有り、 広いベランダが付いてるのですが、もう何年もベランダに出たことはなく、ずっと鍵が閉まったままです。

ある日、私が買い物から帰って来ると、Kさんが慌ていて、
「あそこに、鳥がいる! 捕まえて!!」 と興奮気味でベランダを指差しました。

見ると、柵の端っこに、可愛い「オカメインコ」が留まっていました。

私はそ〜っと近づいて、インコの足元に止まり木のように人差し指を出してみた。 そしたら、人に慣れたインコちゃんで、何の躊躇もなく指に乗ってきたので、 そのまま連れて部屋の中へ戻りました。

「どこかで飼われていたのが逃げて来たんだね。」
という話になり、Kさんは飼えないから私が一旦引き取ることにしました。

そしたらKさん、「これに入れていけば良いわよ。」と、 なんと、45Lのビニール製ゴミ袋を出してきました。
蝶々じゃるまいし、それではかわいそうすぎます・・。

せめて紙袋はありませんか?と聞くと、小さめの紙袋を出して来て下さいました。。

掃除などの仕事をして退出時間になり、私が帰ろうとしたら、ピンポンがなりました。

私が玄関を開けると、小学生の兄妹とその母親が立っていて、
「あの、今、こちらにインコが逃げてきませんでしたか?」 と。。。

飼い主が現れたのです。

部屋で子どもが放して遊んでいたら窓から逃げ、ここのベランダに留まったのを見た、とのこと。

「捕まえましたよ。」とインコちゃんの入った紙袋を差し出すと、 妹さんが、「良かった〜、ピーちゃん♪」と言って泣き出しました。

手元に戻ってきて安心したようです。本当に良かった!

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